日本列島には、7月から9月頃にかけて台風がやってきます。
台風が近づくと、天気が荒れ模様になり、野球や演劇などのイベントは中止となってしまいます。
楽しみにしていたイベントが開催できるのかは、やっぱり気になるところです。
通常時の天気予報については、以前ご紹介したGPVとSCWを利用するのがおすすめです。
GPV気象予報、SCW気象予報、気象庁雨雲の動きの使い方
ですが、GPVとSCWどちらも台風接近時はあまり役に立ちません。
台風の進路で大きく予報が変わってしまうからです。
なので、台風接近時はGPVとSCWではなく、他の情報を利用するのがおすすめ。
天気予報、台風の進路予報というと、やっぱり日本の気象庁が思いつきます。
なんとなく、気象庁は世界でもトップクラスの予報技術を持っていそうな気がしますが、実はあまりレベルが高くありません。
個人的な意見ですが、気象庁より、ヨーロッパやアメリカの予報システムのほうが断然進んでいると思います。
特に、ヨーロッパの予報システムはすごいですね。
ECMWF(ヨーロッパ中期予報センター)の使い方
なので、台風の進路予報を確認するとき、気象庁の情報だけでななく、他の進路予報も確認するようにしてください。
台風の進路予報を確認する場合、おすすめのサイトは2つです。
1つはどうこう言っても気象庁、もう1つはJTWC(米軍合同台風警報センター)、いわゆる米軍の情報です。
なお、このページに書いてある内容は、それなりの経験に基づいてはいるものの、すべて個人的な感想であることをご承知ください。
Contents
気象庁の台風情報の使い方
日本の天気予報と言えば、やっぱり気象庁です。
特に、日本列島に近づいてきた時の台風進路や、台風の到達時間の予測については精度が高めです。
逆に言うと、日本列島から離れた場所や、数日後の台風予報については、かなり精度が低いのが現状です。
1.気象庁の台風情報のページにアクセスする
気象庁の台風情報のページにアクセスします。
【気象庁台風情報】
https://www.jma.go.jp/jp/typh/
2.台風情報を選択する
複数の台風が発生している場合は、右上のボックスで表示する台風を選択します。
また、中心線を表示すると、台風の中心線が表示されます。
台風の予報進路図に表示されている円は「予報円」と呼ばれています。
台風の中心が予報円に入る確率は70%なので、予報円が大きい場合は台風の進路予想が難しいことを示しています。
JTWC(米軍合同台風警報センター)の台風情報の使い方
台風情報は、アメリカ・ハワイの米軍合同台風警報センター(JTWC)が発表する台風情報でも確認できます。
個人的な感想ですが、米軍の方が気象庁の台風進路予報よりかなり正確な進路を予報してくれます。
もちろん外れる時もありますが、日本列島から離れた地点の進路予報は、米軍の方が精度が高いと思います。
1.米軍合同台風警報センターのトップページにアクセスする。
JTWC(以下米軍)の台風予報の使い方はちょっとクセがありますが、慣れれば簡単です。
ですが、接続先のURLがよく変わりますので注意してください。
2022年9月時点ではこちらです。
【米軍合同台風警報センター】
http://www.metoc.navy.mil/jtwc/jtwc.html
画面右側にある「JTWC Tropical Warnings」欄に、現在発生している台風が表示されます。
台風が発生していない場合は何も表示されません。
なお、米軍と気象庁では台風の定義が微妙に違うため、台風の番号が日本の気象庁と米軍では異なることがあります。
例えば、2022年9月16日の場合、日本の気象庁で台風14号とされていますが、米軍では16Wとなっています。
米軍の台風情報を確認したい場合、「Current Northwest Pacific/North Indian Ocean* Tropical Systems」(現在の北太平洋/北インド洋 熱帯系)に掲載されている台風情報の「TC Warning Graphic」を選択してください。
2.台風進路予報画が表示される
選択した台風の進路予報図が表示されます。
台風が発生した初期や、日本列島から離れている時は、米軍の予報の方が精度が高い傾向があります。
3.米軍の台風進路予報を利用するときの注意点
米軍の台風進路予報を利用するときには、何点か注意点があります。
【1.表示されている時刻が世界時刻になっている】
米軍の台風進路予報に表示される時刻は協定世界時となっています。
このため、日本時間に直すには時差の9時間を加える必要があります。
この変換が地味にめんどくさいので、米軍の台風情報は進路予想をメインに使うのがいいと思います。
【2.台風進路予報図の見方が微妙に違う】
台風の進路予報図に表示される内容が微妙に違います。
たとえば、台風の進路予報と共に表示される円の意味が気象庁と米軍で違います。
- 気象庁:予報円と呼ばれ、その時刻に台風がその円の中に入る確率が70%と予報されるエリアです。
- 米軍:ある一定の風速以上の暴風が予報されるエリアです。
また、速度の表示も米軍はknots(ノット)で表示されます。
時速〇キロメートルに変換したい場合は、1knots=1.852km/hなので、計算がちょっと面倒です。
【3.気象庁と米軍では台風の番号が違う場合がある】
日本では、よく「台風〇号」という表現が利用されます。
米軍でも台風に番号が振られますが、気象庁で使用する番号と違う場合があります。
これは、気象庁と米軍では、「台風の定義」が微妙に違うためで、「気象庁では台風としてカウントされないのに米軍ではカウントされる台風」が発生すると、どんどんずれてきます。
台風の東側は雨風が強くなり危険
気象庁と米軍を利用すると台風の進路予報を確認することができます。
併せて知っておいてほしいのが、台風の東側は雨・風共に強くなるということです。
【台風に伴う風の特性】
台風は巨大な空気の渦巻きになっており、地上付近では上から見て反時計回りに強い風が吹き込んでいます。
そのため、進行方向に向かって右の半円では、台風自身の風と台風を移動させる周りの風が同じ方向に吹くため風が強くなります。
逆に左の半円では台風自身の風が逆になるので、右の半円に比べると風速がいくぶん小さくなります。
(気象庁)
難しいことは置いておいて、とにかく台風の東側は風や雨が強くなります。
なので、例えば広島在住の場合を考えると
- 岡山県を台風が通過する場合は、雨・風が控えめ
- 九州北部~山口県を通過する場合は、雨・風が非常に強い
という傾向があるということです。
もちろん、台風の接近に伴う前線の活発化など、それ以外の要素もあるので一概には言えませんが、おおむねの傾向として「台風が住んでるところの西を通過する場合は要注意!」です。
実は、この「台風の東と西と雨・風の差」は結構大きくて、極端な話、台風が西側を通るくらいなら台風が上陸するほうが全然ましです。
なので、台風の進路状況と合わせて、住んでいるところ(天気を確認したいところ)のどちら側を台風が通るのかも合わせて確認しましょう。
まとめ:台風の進路予報は気象庁と米軍JTWCを併用しよう!違いと使い方。
台風の進路予報はいろいろな機関が発表しますが、おすすめは気象庁と米軍の台風情報です。
ウェザーニューズは無料ならともかく、有料会員になってまで見なくてもいいと思います。
アプリの使い方や情報画面などはきれいで見やすいのですが、肝心の予報精度についてはいまいちです。
傾向的に気象庁と米軍の中間の予報を出すことが多く、「ウェザーニューズ」すごい!と思ったことは一度もありません。
普段の予想も精度低いし。
あくまで、個人的な感想ですよ。
日本列島に近づいたときはやっぱり気象庁がおすすめ!
気象庁の台風予報は、日本列島に近づいた時は一番正確だと思います。
日本列島に近づくと情報の更新頻度も高くなるし、特に予報到達時刻の正確性は一番です。
ですが、数日先の予報や日本列島から離れた地点の台風については、正直なところ米軍やヨーロッパの予報にかなり劣ります。
発生初期や日本から離れている場合は米軍の方がおすすめ!
米軍の台風予報は、個人的に一番信用しています。
特に、台風発生初期や日本列島から離れた地点、数日先の予報は、米軍が一番正確だと思ってます。
ただし、表示時刻に9時間足す必要があったり、予報円の意味が違ったり、頻繁にサイトのURLが変わったりと使いにくいところもあります。
ですが、米軍の予報を使えるかどうかは、特に台風予報では大きな差になるので、ぜひ試してみてください。
あと、ECMWF(ヨーロッパ中期予報センター)と、NOAA(アメリカ海洋大気庁)も数日先の予報についてはお勧めなのですが、どちらも使いにくんですよね。
特に、ECMWはサーバーが落ちることも多いし、米軍のほうが使いやすいので、現状では米軍の台風予報をお勧めしておきます。
各種気象情報についてはこちら。
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