古都・鎌倉の衣張山、まんだら堂やぐら群、名越切通を巡るハイキングコース

2022年11月、神奈川県鎌倉市の「衣張山⇒まんだら堂やぐら群⇒名越切通」を巡るハイキングコースを歩いてきました。

正確には鎌倉市と逗子市ですが、このルートは他の観光地にはない鎌倉らしさを感じることができるので、個人的におすすめです。

できれば多くの人に知ってほしいのですが、このコースは紹介するサイトや資料が少ないので、情報を集めるのがとても大変です。

また、散策コースにはほとんど看板がないわりに分かれ道が多かったりと、あまり整備されてないのも困ったところ。

 

多分、このやる気のなさは、「鎌倉市と逗子市の境界付近にある」というのが大いに影響してるんですよね。

こんないいハイキングコースの認知度が低いのはもったいないので、個人的におすすめなこのコースについて、簡単ですが紹介してみます。

杉本寺~衣張山山頂

スタート地点となる杉本寺までは、鎌倉駅東口からバスを利用します。

【8:00スタート】

杉本寺は、奈良時代の734年に建立されたという鎌倉でも最も古いお寺で、本堂まで続く美しい苔の階段が有名です。

参拝時間は朝9時からなので、残念ながら中には入れず。

山門の先に、美しい苔の階段があります。

 

 

杉本寺の前にある「犬懸橋(いぬかけばし)」を渡り、てくてくと細めの道をあるいていきます。

少し歩くと、「上杉朝宗及氏憲邸址碑」という石碑があるので、さらにまっすぐ進みます。

 

 

住宅地を進んでいくと、だんだん道が狭くなっていきますが、気にせず直進します。

 

 

【8:10】

ここが衣張山ハイキングコースの入り口です。

山道っぽいけど、軽装で行けそうな感じ。

 

 

と思いきや、いきなり倒木に遭遇、しかも結構派手に倒れてるね。

私、スニーカー+普通のパンツという超軽装なんですが、大丈夫なのかと不安に。

 

 

道中はまぁまぁなハイキングコースです。

高低差は少ないけど、森の中って感じですね。

11月なのでちょっと冷たい風が心地よいです。

 

 

途中で道が二手に分かれています。

このハイキングコースは途中に案内板がほとんどないので、分かれ道があるたびに究極の選択を迫られます。

事前情報では、左右どちらでも山頂に行けるようですが、右がおすすめらしいので、おとなしく右側を選択。

 

 

【8:20】

スタートから20分ほどで、ちょっと開けたスペースに到着しました。

山頂までどのくらいかな~と思ってグーグルマップを見ると、なんかここが山頂っぽい。

まじ?

 

 

確かに由比ガ浜とか稲村ケ崎までよく見えます。

やっぱり、ここが衣張山の山頂で間違いないっぽいです、こんなこじんまりしてるのね。

ここは、海街ダイアリーという映画で、綾瀬はるかさんと広瀬すずさんが二人で登った山です。

映画だともう少し立派な山頂だと思ったんだけどね。

 

 

【2022年11月27日追記】

天気が良くて富士山がよく見えそうな日に再チャレンジしてきました。

ちょっと写真ではわかりにくいけど、今回は富士山ばっちりです!

 

 

【ここまでのルート】

衣張山山頂~パノラマ台

衣張山の山頂でちょっとお休みした後、海に向かって左手にある小道を進みます。

数か所の分かれ道があるのですが、やっぱり看板が何もないので勘で進みます。

かなり不親切なハイキングコースですが、ある意味スリリングで良し。

 

 

たま~にある看板で、自分の無事を確認しつつ進みます。

 

 

衣張山ハイキングコースを抜け「ハイランド」という住宅地の端っこに出ます。

途中、外来種についての注意看板がありました。

アライグマはさすがに見ませんが、リスはたまに見かけますね。

見た目はかわいいけど、畑を食い荒らしたり、鳴き声がかなり問題になってるみたいです。

 

 

ハイランドに出ると、こんな感じで整備された道になります。

朝のお散歩をしている方も結構いる感じ。

 

 

【8:50】

関東の富士見百景に選ばれた場所がありました。

 

 

でも、残寝ながら富士山は確認できず。

天気はいいんだけどね。

 

 

【2022年11月27日追記】

富士山が見えそうな日に再チャレンジしてきました。

素晴らしい!!

 

 

富士山が見えなかったのでしょんぼりしながら先に進みます。

次は、この辺りで一番展望がいいといわれる「パノラマ台」なのですが、やはり案内板がない。

うろうろしていると、親切なおじいさんが、「ここを右側の小道に行けばパノラマ台だよ」と教えてくれました。

いや、これ看板ないとわかんないから。

 

 

【2022年11月27日追記】

よく見たら、こっそり看板ありました。

 

 

【8:55】

分岐点から歩くこと5分ほどで、パノラマ台らしき所に到着。

ベンチが1つしかないし、むっちゃこじんまり。

 

 

お~、景色はいいですね!由比ガ浜、稲村ケ崎までよく見えます。

よく見ると江の島もちらっと見えてるね。

ここまでまぁまぁのアップダウンで汗もかいたので、しばらく休憩することにします。

 

 

【2022年11月27日追記】

富士山が見える日に再チャレンジしました。

富士山、鎌倉市街地、由比ガ浜、稲村ケ崎が一望できるので、鎌倉で一番美しい景色が見える場所だと思います。

 

 

【ここまでのルート】

パノラマ台~大切岸

パノラマ台で休憩した後、次は名越切通方面に向かいます。

来た道を戻り南へ向かうと、看板を発見!こちら側から来ればパノラマ台にも普通にたどり着けそう。

 

 

山道をもくもくと歩くのですが、相変わらず案内看板がないので、こんな感じの分かれ道があるたびに判断を迫られます。

基本は、まっすぐっぽい道を選択すれば多分大丈夫。

 

 

【9:21】

20分ほど歩いて、次の目的地「大切岸(おおぎしぎり)」に到着!

切岸(きりぎし)とは、山城などで敵の侵入を防ぐための人工的な壁、崖のことです。

以前は、「鎌倉幕府が三浦一族からの攻撃に備えるために築いた防御用の壁」というのが定説でしたが、現在では大規模な石切り場の跡だったとされています。

 

 

大きな石を大量に切り出した後が、特徴的な崖になっています。

個人的に、この光景はとても鎌倉らしいと思うんですよね。

こういう土質の岩が鎌倉って多い気がします。

 

 

この大切岸は、ちょうと鎌倉市と逗子市の境にあるのですが、鎌倉市は「防壁説」、逗子市は「石切り場説」と評価が微妙に違うみたいなんです。

なので、大切岸にある看板には、微妙な表現がされていて面白いです。

大切岸~まんだら堂やぐら群

大切岸をぐるっと一周した後、名越切通方面に向かいます。

しばらく歩くと名越切通の看板がありました。

 

 

【9:50】

更に進むこと数分、まんだら堂やぐら群に到着しました。

まんだら堂は期間限定で公開されていて、2022年は10月22日(土)から12月12日(月)まで中に入ることができます。

開門は朝10時ですが、到着したのが9時50分なのでちょっとだけ待ちます。

 

 

10時がきたので、まんだら堂のやぐら群を見に行きます。

「やぐら」とは、壁に掘られた四角い穴で、鎌倉時代から室町時代にかけて、鎌倉の周辺で多く作られました。

やぐらの中には五輪塔と呼ばれる置物が置かれ、当時は亡くなった人を供養する目的があったようです。

供養以外にも、お堂、倉庫など、色々な用途に使われた痕跡があるようです。

 

 

やぐらの中にあるのが五輪塔です。

五輪塔は供養に使われる仏塔の一つで、上から空、風、火、水、地を表す5つの石で構成されています。

なんか神秘的ですよね。

 

 

このあたりは「まんだら堂」と呼ばれていて、150以上のやぐらが確認されていることから、「まんだら堂やぐら群」と呼ばれています。

あと、歴史的調査とか、観光スポットとしての整備はあまり積極的にされてない感じが逆にいいです。

まんだら堂自体は逗子市にあるのですが、逗子って観光PRがあまり上手じゃないのよね。

逗子市の観光サイトのまんだら堂案内なんか、おじいちゃんがパソコン教室で作るレベルなのでビビります。

 

 

近くにある展望台から見た、まんだら堂やぐら群です。

やぐらは、鎌倉とその周辺にしか存在しないようで、全国的にこの風習は広まらなかったみたいですね。

結果的に、鎌倉を象徴する遺物になりました。

まんだら堂やぐら群~名越切通

やぐら群の後は、最後の目的地、名越切通に向かいます。

切通とは、鎌倉に入る細い道のことで、全部で7つの切通が有名です。

鎌倉は三方を山、一方を海に囲まれた天然の要害で、陸路はこの切通しかありませんでした。

なので、鎌倉の切通は経済面、軍事面でとても重要な意味があった場所になります。

 

名越切通には3つの狭い部分があり、それぞれ第1~第3切通しと呼ばれています。

やぐら群のすぐ近くにあるのが、第2切通しです。

 

 

【10:30】

そして、さらに数分歩くと一番有名な「第1切通」に到着します。

名越切通の第1切通は、がけ崩れなどですぐに埋まっちゃうみたいで、昔は現在の地面よりもずっと低いところを歩いていたみたいです。

鎌倉時代の景色とはかなり違うみたいですが、何となく歴史は感じます。

 

 

名越切通の第1切通までくれば、ゴールはすぐそこです。

逗子駅に戻る場合は、亀ヶ岡団地バス停、鎌倉駅に戻る場合は、緑が丘入り口バス停を利用すればバスで帰れます。

 

 

亀ヶ岡団地側の入り口は、こんな感じで住宅地のすぐ近くにあります。

こちら側からハイキングコースを歩くこともできますが、個人的には衣張山側から歩くのがおすすめかな。

最後に見どころがあるほうが楽しいです。

 

 

パノラマ台、大切岸、まんだら堂やぐら群、名越切通については、こちらのマップがとても参考になります。

逗子市の公式サイトに乗せてもいいと思うのですが、あんまりやる気ないみたい。

まとめ:古都・鎌倉の衣張山、まんだら堂やぐら群、名越切通を巡るハイキングコース

2022年11月、杉本寺をスタートし、衣張山山頂、パノラマ台、大切岸、まんだら堂やぐら群、名越切通を回る散策コースを歩いてきました。

杉本寺をスタートしたのが8時頃、緑が丘バス停に到着したのが10時40分頃なので、約2時間40分のハイキングです。

途中休憩も多かったので、のんびり歩いて2時間くらいのコースだと思います。

高低差もあまりなく、鎌倉で軽いハイキングをするならおすすめのコースです。

 

鎌倉だと、「葛原岡・大仏ハイキングコース」というのが有名ですが、正直このコースは面白くないです。

展望も悪いし、名所的な場所もないし、歩いていてつまらないです。

ただし、大仏切通は7つの切通の中で「当時に一番近い形で残っている」といわれています。

なので、この点を重視するなら大仏切通もおすすめですが、ぶっちゃけ歩いても「当時のまま」なんてわかりません。

個人的には、展望もよくて見どころも多い「衣張山~名越切通コース」のほうが断然おすすめです。

スニーカーと動きやすい靴、水分と軽食があれば誰でも散策できるコースなので、ちょっと山の中を歩きたい時はいいと思います。

また、大切岸、まんだら堂やぐら群、名越切通は、マイナーだけど鎌倉っぽい場所なので、観光地巡りとは一味違った楽しさがあります。

 

ただし、まんだら堂やぐら群は公開されている時期が限られているので、事前に「逗子市公式サイト」で必ず確認してください。

もし非公開の時期だったら、こちらの天園ハイキングコースがおすすめです。

古都・鎌倉の人気ハイキングコース「天園ハイキングコース」

 

【2023年3月17日】

もう一つのおすすめ切通「朝夷奈切通」についてまとめました。

古都・鎌倉の切通「朝夷奈切通」を歩くハイキングコース

 

「鎌倉おすすめ」はこちら

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