クレジットカード海外旅行傷害保険の利用付帯条件について注意点まとめ

新型コロナウイルス感染症の影響もあり、クレジットカードに付帯している海外旅行傷害保険は、軒並み「利用付帯」に変更されています。

以前のような「自動付帯」であれば、カードを持っているだけで問題ありませんでした。

ですが「利用付帯」となった場合、どんな支払いを、いつまでに決済しておけばいいかを把握しておく必要があります。

 

今回、久しぶりに海外に行く機会があったので、クレカの「海外旅行傷害保険の利用付帯条件」について、注意点をまとめてみました。

クレジットカード海外旅行傷害保険とは

クレジットカードの海外旅行傷害保険とは、クレジットカードに付帯している保険サービスです。

カードの種類によって補償内容や適用条件が異なります。

 

以下は、2023年5月時点でのセゾンカード海外旅行傷害保険についてまとめています。

保険の内容

死亡・後遺障害 事故から180日以内に死亡・後遺障害が生じた場合に補償
傷害治療費用 事故による治療費、入院費、通院交通費、移送費、通訳雇費、通信費、身の回り品購入費などを補償
疾病治療費用 疾病による治療費、入院費、通院交通費、移送費、通訳雇費、通信費、身の回り品購入費などを補償
賠償責任 他人にケガをさせたり、他人の物を壊した場合に、損害賠償金および訴訟費用等を補償
携行品損害 携行品が火災や盗難等の偶然な事故により損害を受けた場合に補償
救援者費用等 捜索救助費用、現地からの移送費用、遺体処理費用、救援者の渡航費用および現地での諸雑費などを補償
航空機遅延費用等(手荷物) 手荷物が遅延・紛失した場合、衣類購入費、生活必需品購入費などを補償
航空機遅延費用等(乗継) 航空機が遅延・欠航した場合、宿泊費、食事代、交通費、国際電話料等通信費などを補償

補償金額

補償される金額はクレジットカードにより異なり、上位カードになるほど金額が高くなる傾向があります。

また、複数のカードを持っている場合、それぞれの補償金額を合算することができるので、結果的に補償上限額を上乗せすることが可能です。

例えば、疾病治療費用について次の3枚の対象カードを持っている場合、

・カードA:300万
・カードB:200万
・カードC:100万

補償の上限は300万+200万+100万=600万円となります。

ただし、死亡・後遺障害については合算対象外なので、一番補償額が高い保険の金額が上限となります。

保険対象者

海外旅行傷害保険の対象者は、原則カード保有者のみとなります。

ですが、カードによっては家族も保険対象となるケースもあるので、家族旅行の場合は「家族も保険対象となるクレカ」を利用するようにしましょう。

 

ただし、家族分の補償は、カード保有者の補償より低めになります。

なので、家族も海外旅行傷害保険付きのクレカを持っているのであれば、そのカードで旅費の一部を決済しておくようにしましょう。

こうすれば、家族も自分のカードの保険を利用できるので、結果的に限度額などを上げることができます。

保険の適用条件(自動付帯、利用付帯)

海外旅行傷害保険の適用条件には、「自動付帯」と「利用付帯」の2種類があります。

(1)自動付帯

自動付帯とは、対象のクレジットカードを保有しているだけで保険対象となるケースです。

以前はゴールドカード以上は自動付帯が多かったのですが、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、現在では自動付帯のクレジットカードは激減しています。

(2)利用付帯

利用付帯とは、旅費などを対象のカードで決済した場合のみ保険対象となるケースです。

カードを持っているだけでは適用できないので、航空チケット、パック旅行代金などを決済しておく必要があります。

利用付帯は適用条件に注意

海外旅行傷害保険が利用付帯の場合、カードで対象となる決済をしないと保険が適用されません。

また、死亡以外の補償は合算可能なので、「海外旅行傷害保険がついている複数のカードで、できるだけ保険対象となる決済をしておく」のがおすすめです。

その場合、何点か注意点があるのでまとめておきます。

1.対象となる決済に注意する

保険対象となる決済は、主に次の3点です。

(1)往復の航空機代金

旅行で利用する航空機の代金を事前に決済しておけば保険対象となります。

往復全てを決済する必要はなく、往路や復路だけでも問題ありません。

なので、往路と復路で決済カードを変えれば、それぞれのカードが保険対象となります。

ただし、空港使用料・航空券発券手数料・超過手荷物料等は対象外となるため、マイルを利用した特典航空券は保険対象決済となりません。

 

(2)空港までの公共交通機関の代金

自宅から空港までの公共交通機関の料金も補償対象です。

具体的には、空港までの新幹線代、タクシー代、リムジンバス代金などが対象になります。

JR在来線については、クレジットカードが利用できる発券機でクレカを利用して決済していれば、在来線の切符代でもOKです。

一方、Suicaにクレカからチャージして電車に乗ったとしても対象外なので注意が必要です。

 

なお、保険対象は「航空法、鉄道事業法、海上運送法、道路運送法等に基づき、それぞれの事業を行う機関によって運行される航空機、電車、船舶、バス、タクシー等」となっているため、レンタカーは対象外です。

 

(3)パック旅行の代金

募集型企画旅行、いわゆるパック旅行の場合

  • 旅行前に決済が完了していること
  • 国土交通所が定める「募集型企画旅行」であること

この2点を満たしていれば、保険対象となります。

なので、航空機+ホテルがセットになったパック旅行だけではなく、現地でのオプショナルツアーも保険対象となる可能性があります。

この場合、事前にそのオプショナルツアーが「国土交通所が定める募集型企画旅行」であるかを確認しておきましょう。

2.決済時期に注意する

保険対象となるためには「出国前に対象となる料金を決済しておく」ことが必要です。

ですが、出国後であっても「航空機などの公共交通乗用具の料金を対象のカードで決済した場合、決済した時から保険が適用」されます。

要は、外国についてから航空機のチケットを購入した場合、それ以降は保険の対象になるってことです。

ですが、これは保険の開始時期が不明確になるので、できれば最後の手段としておきましょう。

募集型企画旅行とは

海外旅行傷害保険は、「募集型企画旅行」の料金を事前決済していれば対象になります。

この聞きなれない「募集型企画旅行」について調べてみました。

1.旅行の形式

まず、旅行の形式には募集型企画旅行、手配旅行、受注型企画旅行の3種類があるようです。

(1)募集型企画旅行

募集型企画旅行とは、旅行会社が「旅行の目的地、日程、交通機関、宿泊先」などを計画し、パンフレットやインターネットなどで旅行者を募集して実施する旅行です。

旅行会社は旅程を管理する義務を負っているので、旅行中に発生した事故についての補償制度が設けられています。

 

(2)手配旅行

手配旅行とは、旅行会社が「旅行者の委託により交通機関、宿泊先などを手配」する旅行です。

募集型企画旅行とは異なり、旅行会社はそれぞれの手配をするだけなので、万が一事故が発生しても旅行会社に旅程管理責任はありません。

要は、旅行中のトラブルは旅行者の自己責任となる形式です。

 

(3)受注型企画旅行

受注型企画旅行とは、旅行会社が「旅行者からのオーダーを受けて企画する旅行」です。

いわゆるオーダーメイドの旅行で、会社の親睦旅行はこの形式に該当します。

2.海外旅行傷害保険が適用される募集型企画旅行とは

海外旅行傷害保険が適用される募集型企画旅行とはどのようなパターンが該当するのでしょうか?

1.往復航空機+ホテルがセットになったパック旅行

一般的に、このーパターンはかなりの確率で「募集型企画旅行」に該当します。

なので、迷ったらこちらを選択するのがおすすめです。

 

2.現地でのオプショナルツアー

現地での貸し切りバス利用などのオプショナルツアーについては、「募集型企画旅行」に該当するケースと「手配旅行」になるケースがあるようです。

まず、大手旅行会社が自ら募集、企画しているオプショナルツアーは「募集型企画旅行」となる可能性が高くなります。

もし、参加するオプショナルツアーが募集型企画旅行の場合、料金を決済すれば海外旅行傷害保険の対象となります。

 

一方、現地の観光会社への予約だけを請け負っているオプショナルツアーの場合、「手配旅行」に該当します。

この場合は、料金を決済しても海外旅行傷害保険の対象とはなりません。

この辺りはケースバイケースなので旅行会社に直接問い合わせをしてみましょう。

まとめ:クレジットカード海外旅行傷害保険の利用付帯条件について注意点

新型コロナウイルス感染症の影響もあり、クレジットカードの海外旅行傷害保険は、「利用付帯」となるケースが多くなっています。

一部のJCBカードが自動付帯で頑張っていますが、こちらの改悪も時間の問題な気がします。

 

クレジットカードの海外旅行傷害保険を利用する場合

  • 保険対象となる支払い内容、決済時期に注意する
  • オプショナルツアーの決済も保険対象となる場合があるので確認する
  • 補償額は合算できるので、保険がついているカードを複数持っている場合は決済を分ける
  • 家族まで補償してくれるカードを使う

この辺りが重要です。

 

特に、海外旅行傷害保険付きのカードを複数持っている場合は、

  • 本人Aカード:空港までの交通費
  • 本人Bカード:往路航空チケット代
  • 同行者Aカード:復路航空チケット代

などとしておけば、補償額の上乗せが可能です。

ちょっとめんどい気もしますが、いざというときに大きな差になるので、保険についてはしっかりと準備をしておきましょう!

How to get a Ticket

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