2020年7月13日(月)、宝塚歌劇の公式ホームページに、興味深い内容がUPされました。
ぱっと見は、新型コロナウイルス感染症の対策について記載しているようですが、よく読むと「不正転売について断固戦う」という強い意志が感じられる文面です。
宝塚歌劇は、ここ数年チケットの転売対策についてかなり力を入れています。
特に、宝塚友の会経由で購入したSS席チケットを「当日に劇場での発券のみ」と変更したのは、転売対策に非常に効果がありました。
それ以外にも、転売サイトで販売されたチケットの所有者に対し警告したり、ひどい場合には資格をはく奪したりと、かなり気合が入った対応をしています。
このような転売対策をするのは素晴らしいことです。
どれだけ高額転売されていても完全放置のカープとか、球団職員が一度視察に行った方がいいと思うくらいです。
ですが、ちょっとモヤモヤする点があります。
それは、「転売対策と同時にリセールサービスを充実させる必要があるのでは?」という点です。
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2020年7月13日(火)に宝塚公式サイトにUPされた内容
2020年7月13日(火)、宝塚公式サイトに「公演再開後のチケット取扱いに関するご協力のお願い」という内容がUPされました。
公演再開後のチケット取扱いに関するご協力のお願い
宝塚歌劇では、このたび宝塚大劇場・東京宝塚劇場の公演を再開させていただきますが、再開にあたっては、政府および自治体等による感染拡大予防のための各種ガイドラインに基づき、施設内の感染予防対策を徹底することに加え、劇場内の各種サービス、舞台の演出や上演体制など、感染拡大予防のための取り組みを進めております。
チケット販売方法につきましても、万一感染が疑われる状況が発生した場合に備え、「(1公演につき)おひとり様1枚」での販売とし、観劇者の把握に努めておりますが、残念ながら、先行販売時のチケットがチケット交換ウェブサイト等に多数出品されていることを確認しております。
以前より、宝塚歌劇公演 公式チケットトレードリセール「チケトレ」以外のウェブサイト経由によるチケットの交換・譲渡はご遠慮いただいておりますが、改めてチケット交換ウェブサイト等への出品はお控えくださいますようお願いいたします。
やむを得ないご事情でご観劇が出来なくなった場合は、「チケトレ」をご利用くださいますよう重ねてお願い申し上げます。
合わせて、宝塚歌劇ではチケット転売ウェブサイト等の調査も行っており、本人特定時の警告、悪質な転売に対しての宝塚友の会会員資格の停止、転売状況を踏まえた入場時の本人確認などの転売対策を実施しております。これらのウェブサイト等で入手されたチケットでのご入場をお断りする場合がございますので、あらかじめご了承くださいませ。
また、ご観劇の際には、必ず、チケットもしくは入場認証に必要な会員証・QRコードをお持ちくださいますよう、改めてお願いいたします。
従来、個別のご事情によりチケット等をお持ちでないお客様へ特別対応を行う場合がございましたが、このたびの再開にあたりましては、上記の事情を踏まえ、従来と同様の対応を行わず、入場をお断りする場合がございますので、あらかじめご了承くださいませ。
ご来場の皆様が、より安心・安全にご観劇いただけるよう取り組んでまいりますので、何卒、ご理解・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
宝塚歌劇の公式リセールサービスは「チケトレ」
宝塚歌劇では、「チケトレ」を公式リセールサービスとしています。
チケトレは、チケットぴあが主体で運営するチケットリセールサービスなのですが、個人的にあまり好きではありません。
チケトレのダメダメなところ
1.手数料が高すぎる
チケトレは、売り手から約10%、買い手から約12%、合わせて約22%も手数料を取ります。
チケット額面の約22%ですよ!信じられないくらい高額だと思います。
他のチケット転売サイトやヤフオク、メルカリなどは、高い高いと言われても10%前後です。
その倍近い手数料とか、ありえません。
2.チケットの取引可能期間が短すぎる
チケトレは、チケットを購入できる期間がとても短くなっています。
他の取引サイトでは、公演直前でも取引可能なケースがありますが、チケトレの場合は、公演の10日前に出品ができなくなります。
これでは、急に都合が悪くなった時に出品とかが不可能です。
基本的に公演に行きたい人がチケットを買っているので、都合が悪くなるのは直前のケースも多くあります。
10日前に出品締切とか、ありえません。
3.使い勝手が悪すぎる
チケトレはとにかく使い勝手が悪いです。
メニューなども洗練されていないし、サイトの作り自体もセンスがないです。
また、出品時にはチケットの詳細が記載された画面のUPが必要だったり、とにかくめんどくさいです。
高い手数料とっているのに、ありえまえせん。
4.売り手(出品者)の負担が多い
チケトレはとにかく出品者に負担を強いるシステムです。
チケットは定価のみなので、プレイガイド手数料などは全額出品者が負担することになります。
また、チケット代金の支払いは「公演終了の4日後」です。
通常の取引サイトでは、チケットが買い手に届いた時点で取引終了=お支払い手続きとなります。
取引したチケットで入場できないケースを想定しているようですが、そのようなケースのリスクを売り手に丸投げしています。
少なくとも、私はチケトレを利用して取引をしようとは思いません。
チケトレについて、詳しくはこちら。

まとめ:チケットの転売対策とリセールはセットで行うべき
そもそも論として、「自分が購入したチケットをどうしようが購入者の自由」というのが大原則です。
チケット以外の物を想像してみてください。
例えば、自分で買った本を捨てようが売ろうが、誰かにあげようが、それは購入者の自由です。
ただし、チケットの場合は高額転売が問題になったので、条件付きで転売を禁止するための法律ができました。
これがチケット不正転売防止法です。

チケット不正転売防止法が施工された経緯や理由には異論がありません。
ですが、この法律はチケットを購入した人の権利を強く制限するものです。
なので、不正転売防止法があるから転売はだめ!!ではなく、都合が悪くて行けなくなった人のためにリセールサービスを整備するのは当然のことと考えます。
だって、他人の権利を制限してるんだから、その分何かしらのリカバリーは必要ですよね。
なので、私はチケットの転売禁止とリセールサービスはセットであるべきと考えます。
現状、チケットの転売対策については色々と進んでいますが、リセールサービスについては整備が進んでいないのが現状です。
「チケトレ」にしても、20%以上の手数料を取ったり、やる気のないサイトの作りだったりと、とにかく本気で取り組んでいる様子が感じられません。
宝塚歌劇についても、転売対策を強く取るのは素晴らしいですが、もう少しリセールについても考えて欲しいと思います。
少なくとも手数料についてはひどすぎるので、早急に対応が必要です。
「チケトレがあるから」ではあんまりな対応だなというのが正直な感想です。
チケットの転売対策は、「転売されにくいシステムを作ること」と「行けなくなった人が気軽にリセールに出せる環境」が必要不可欠です。
今後、リセールについての整備が進むことを強く望みます。
宝塚のチケットの取り方についてはこちら


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